最近、今更ながらに「君の名は。」を見てみたのですが、美麗な映像と切なくて暖かいストーリーに感動したところです。新海監督の作品は名前は知っていながら、見たことがない作品が多いので、これを機に、見れる作品は見てみようと思い、「言の葉の庭」を視聴してみましたので、その紹介と感想を綴ってみたいと思います。
君の名は。の感想記事はこちらから。
「言の葉の庭」の紹介
「君の名は。」は、2013年5月31日に公開されたアニメーション映画です。上映時間は約46分。
原作、脚本、監督はすべて新海 誠「(しんかいまこと)」監督。
新海監督の作品としては5作品目となります。
あらすじ
高校生のタカオは、ある雨の日に立ち寄った庭園で一人の女性と出会う。彼女は朝の庭園でビールを飲んでいるような女性だったが、どこか神秘的な雰囲気を出していた。それから、再び雨の日に庭園に向かったタカオは、また同じ場所でその女性に出会う。2人は、約束も交わさぬまま、申し合わせたように雨の日にだけ庭園で会うようになる。
やがてタカオは雨の日を願うようになり、出会う度に少しずつ心を通わせていく二人。しかしタカオは、彼女自身のことは何も知らない。年齢も、そして名前も・・
登場人物の紹介
タカオ
本作の主人公。15歳の高校1年生。雨の日に午前中だけ学校をサボって、庭園に向かったことでユキノと出会います。それから彼とユキノは雨の日だけ庭園で会うようになります。
彼は、靴職人になりたいという夢を持っています。高校1年生で明確になりたいものがあるなんて、とても羨ましい限りです。
ユキノ
本作のヒロイン。雨の庭園でタカオが出会うどこかミステリアスな女性。庭園で出会う度に、ビールを飲み、チョコレートを食べている不思議な人。
タカオの兄
タカオと一緒に住んでいるタカオの兄。近々恋人と同居するために家を出る予定。
タカオの母
タカオの母。恋人と同居するために家を出ると言ったタカオの兄に動揺して、一時的に家を出奔中の子離れ出来ていない人。自分自身も一回り下の男性とお付き合い中らしい。
「言の葉の庭」の感想 ここが見どころ!!
メインテーマであろう、「雨」の描写がとても綺麗
梅雨の時期を焦点に当てているというのもあると思いますが、「言の葉の庭」は「雨」が1つのテーマです。街に降る雨、庭園の池に雫が落ち、波紋を立てる雨、濡れた体からしたたる水、など雨の描写がとても綺麗なんです。梅雨と言っても蒸し暑い映像ではなく、どこか静かで少し肌寒いかもって思うような、なんというか、とても綺麗な雨のイメージでしょうか。
新海監督の作品は「君の名は。」以外にも、テレビCMでの短編小説などを見たことがありますが、映像が本当に美しいです。もう絵を見ただけで何となく新海監督っぽいな、という感想が言えるくらいにはなったと思います(笑)。「言の葉の庭」も例外ではなく、映像美だけでも楽しめる作品と言えるでしょう!
雨の日のだけ出会うという、どこか神秘的な2人の空気
タカオとユキノは雨が降った日だけ、庭園で会って話をします。最初は会話一つしなかった二人ですが、雨の日に庭園で出会う度に少しずつ会話を交わし、心が近づいていく過程が丁寧に描かれています。まるで2人で逢引きをしているかのような甘美な空気に包まれています。
15歳の抱く大人への憧れと自らへの劣等感
タカオは、ユキノと出会うことで、雨の日以外の普段の自分の日常を、とても子供じみていると感じるようになります。これは、子供が大人に憧れた時に感じる劣等感と言えるかと思います。大人への憧れと言うのは、自らの無力を強く感じるものですし、早く大人になりたいと思うものですよね。そんなタカオの葛藤が良く描かれていると思いました。私も学生時代は、年上にばかり恋をしていたものです(笑)。
タカオの成長を示す靴というキーワード
タカオには、靴職人になりたいという夢があります。ユキノと出会いは、無意識にタカオの夢実現への起爆剤のようになっています。夢に向き合うタカオは、彼の成長を表す一つのキーワードになっているのかなって思いました。
それにしても、15歳で夢のために邁進できるというのは、すごいと思いますし、何より羨ましいですね。私が学生のころは、なりたいものがなくて、そのことに悩んでいたくらいなので。夢に向かって、ひたすら努力とか、してみたかったなぁ(笑)。
物語のクライマックス!!
クライマックスのシーンは、息を飲んで見ていました。ここは語ることなし!ぜひ、映像で見て欲しい部分です!
最後に
「言の葉の庭」について、あらすじや登場人物、読んでみての感想などを綴ってみました。
映像が綺麗なのはすでに言いましたが、庭園で降る雨は、どこか静かな雨、といった感じで雰囲気がとてもいいアニメだと思います。日本の梅雨という季節が美しく表現されていて、普段の汚れた心が洗われるような気がしました(笑)。この物語は、最後のクライマックスのシーンのためにあったのでしょう!素晴らしいシーンでした!